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●アルギン酸カルシウムゲルを用いた細胞培養
三次元に細胞を積層化するための技術は、今後の人工臓器や組織を構築していく上で、重要な克服課題となっている。我々は、カルシウムイオンの有無によりゲル化したり溶解したしするアルギン酸の性質を用いて、多孔質膜上にアルギン酸カルシウムゲルの薄層を形成し、その上にさらにコラーゲンゲル層をのせてゲル上にて培養した細胞をコラーゲンゲル層ごとトリプシンなどのタンパク質分解酵素を用いることなく回収し、積層する方法を開発した。(Masayuki
Hara et al., Transaction of Material Reserarch Society of Japan
(2000), 25(4), 911-914.)
●アルギン酸カルシウム含有リポソーム
我々はリポソーム(脂質2分子膜小胞)や各種ハイドロゲルを用いて、物質徐放技術の開発を検討している。本年はアルギン酸カルシウムゲル封入リポソームについて報告する。リン脂質を用いてアルギン酸カルシウムゲルを封入したリポソームを調製した。このリポソームはカルシウムイオンの有無に依存的に封入物質の放出を行うことをカルセインなどの色素を用いて確かめた。(原正之、山木綾子、三宅淳、日本バイオマテリアル学会シンポジウム2000予稿集 P856)
●膜安定化効果を示すカロテノイド化合物
高度好熱菌Thermus thermophilusの産生するカロテノイド・グルゴシドエステルthermozeaxanthinは天然の膜貫通型脂質として、リポソーム膜安定化効果を示すので選択的薬物送達技術(DDS)などへの応用が期待される色素分子である。リン脂質リポソームを用いてこの化合物の膜安定化効果を実験的に証明した。(M.
Hara et al. (1999) Biochim. Biophys. Acta 1461, 147 -154.)
●薬物・毒物代謝酵素の研究
肝臓の細胞においては薬物代謝酵素のP450や薬物排出に関与するP-glycoproteinなどの蛋白質が外来の化学物質の解毒・排出をつかさどっている。アトラジンなどの除草剤に暴露されたラット肝臓の細胞において、これらの蛋白質の誘導を追跡し、低分子性異物にたいする生体防御機構のメカニズムを明らかにして毒物検出や代替試験法への応用を図る研究を行っている。 |