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バイオニックデザイン
バイオニックデザイングループ
研究期間 平成4年度〜平成9年度(6年間)
工業技術院特別研究(国際基礎研究)

生体は、自己形成機能や自己修復機能を持った分子機械システムである。このバイオニックデザインのプロジェクト研究は、そうした優れた特徴を持つ構造や運動機構などの原理を明らかにし、その成果を基にして、骨、筋肉、血管などの生体機能を代替する組織や分子機械を創造することが目標である。
■研究概要
自己形成機能や自己修復機能を持った分子機械システムとしての生体の構造や駆動機構の原理を明らかにし、骨、筋肉、血管など生体機能を代替する組織や分子機械部品を構築する研究を行っている。
バイオニックデザインの研究は、大きく分けて、図で示されるように(I). 細胞・組織工学に関する研究(軟組織と硬組織)と(II). 分子機械の創製に関する研究(分子機械の駆動機構(分子モーター)と分子機械の構築(分子構築))の二つの研究分野に分かれている。
(I).細胞・組織工学の研究に関する研究
血管や内皮細胞等を利用した血管組織再構成、肝細胞を利用した肝臓組織再構成、骨芽細胞・破骨細胞を利用した骨組織再構成を行っている。バイオマテリアルの研究においては、骨ミネラル成分である水酸アパタイト単結晶および人工臓器用多機能ポリマーの合成を行っている。
(II).分子機械の研究に関する研究
分子モーターの研究においては、筋肉の力が発生する原因は水の分子と筋肉の相互作用なのか、筋肉分子自身の首振り運動なのかを、マイクロ波技術、遺伝子工学等を用いて解明している。分子構築技術の研究においては、ペプチド蛋白質などの生体分子の集合・組織化して、分子機械部品を構築する基礎的研究を行っている。
■成果
(I).細胞組織工学
○細胞・組織工学の研究においては、生体に限りなく近い人工血管をつくる第一歩として、血管内皮細胞と平滑筋細胞の新たな相互作用を明らかにした。また、拍動などのメカニカルストレスが内皮細胞に伝達されるルートの一つがPhospholipase-IP3-Ca系であることを見出した。また、多孔質テフロンを用いれば肝細胞を増殖させることができることを見出した。
○バイオマテリアルの研究においては、初めて大気圧グロー放電により抗血栓性の高いチューブ内面処理方法を開発した。また、骨ミネラル成分である水酸アパタイトの成長単位が直径0.8nmのリン酸カルシウムクラスターであることを初めて明らかにした。
(II).分子機械
○分子モーターの研究においては、遺伝子工学により長さの異なるミオシン分子を作り、筋肉の力が発生する原因は筋肉分子であるミオシン自身の首振り運動であることを明らかにした。
○分子構築技術においては、リポソーム中に光合成中心分子とクロロフィル分子を埋め込み、新しい光合成を人工的に構築することに成功した。
