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岡田グループ
メカニカルプローブおよび光技術による有機分子等構造観察操作技術
岡田 孝夫
われわれは、走査型プローブ顕微鏡(SPM)に基づいた新しいマルチセンシング多機能プローブ装置(MS/ F-SPM)やレーザ励起蛍光法を開発する。その技術を用いて原子・分子レベルで有機分子等構造観察操作を行う。そしてその技術を高速・高精度のDNA塩基配列の解読等に応用する。
■成果
1.マルチセンシング多機能プローブ装置(MS/F-SPM)による構造観察操作技術の研究
本研究テーマでは、既存のAFMによる生体試料の高分解能観察の検討、および解析的・定量的な手法で生体試料にアプローチする新規なSPM装置(マルチセンシング多機能プローブ装置)の開発を行っている。また試料作製技術の検討および生体試料と基板との相互作用の理論解析も試みている。
(a)既存のAFMによるDNA観察
直鎖状DNAで確認された窒素ガスによる流動配向は、環状DNAでも確認できた。シラン処理に比べMg処理による固定の方が、基板の平坦性が保持できることがわかった。この処理により図1に示すように、DNAの微細構造が確認できた。
一方、DNA−蛋白質複合体の試料固定法を確立し、ヌクレオソームのファイバー構造のAFM観察に成功した(図2)。
(b)マルチセンシング多機能プローブ装置の開発
染色体のAFM/SNFOM観察では、同一観察点からAFM像とSNFOM像を同時に得ることができた。また、表面凹凸と性質を分離するため、SNFOMの蛍光観察を試み、蛍光の有無を確認できた。
(c)モノヌクレオチドの構造に関するシミュレーション
モノヌクレオチドのモデルをグラファイト・モデル上でエネルギーの極小化を行った。その結果アデニン、グアニン、シトシンの塩基面はグラファイトの面に対し平行に配置されることが確認できた。
2.光による単一分子の検出および同定技術の開発と超高速DNAシーケンシングへの応用研究
(a)光による単一DNA分子の切断評価および蛍光ヌクレオチドの輸送状態の評価
蛍光色素YOYO-1のexonuclease IIIの活性阻害は、1Mの塩化ナトリウム溶液で洗浄することで解決できた。また、exoIIIをSSB存在下で作用させた時、DNA端に固定したビーズのブラウン運動の面積の縮小が観察された。この変化はDNA長の変化によるものと考えられた。この結果は単一DNA分子上での活性測定の可能性を示すものである。
(b)光技術による単一分子検出システムの立ち上げ
蛍光単一分子検出のための試料作製に関して、シリコン基板上に分散された個々の色素分子の数を制御できるようになった。

図1 DNAのAFM像

図2 ヌクレオソームのファイバー構造のAFM像